毎日の雨で湿度と鬱陶しさがピークに達し、一年ぶりに部屋のクーラーのスイッチを入れた。さわやかな空気は瞬く間に部屋に満ち、やがて気分も爽快になってきたので、飲み物でも飲もうと思い、賞味期限が切れそうだった牛乳をホットにして飲むことにした。牛乳の入ったマグカップを電子レンジに入れてスイッチオン!あとはただ待つだけで暖かいホットミルクのできあがり。テレビをダラダラ見ながら待つこと1分程経った頃…
が~~~~~~…ぶっしゅぅん………。
鈍い音とともに快適だった部屋は暗闇と静寂に包まれた。
「しまった」と思ったときには時既に遅し。部屋の大元ブレーカが落ちて部屋の電源系統が全て0アンペアへ収束。この部屋のブレーカは上限が’80年代レベルに設定されており、大変地球にやさしいのが特長だ。クーラーと電子レンジのように冷やしながら暖めるなどとという矛盾に満ちた電気の無駄遣いをうちのエコブレーカーが許すはずもなかったのだ。
久しぶりのクーラー稼動でそのことをすっかり忘れていた自分が許せない…。しばらく悶絶した後、ようやく現実に立ち返り、ブレーカーを元に戻すために立ち上がる。暗闇の中を手探りでゆっくり進む。こうやって暗闇を歩いていると、学生時代に何度か訪れた香川県で善通寺の地下通路に入ったときのことを思い出す。全くの闇というのは本当にすごい。どんなに目を見開いて意識を集中しても目の前からは一切の存在がなくなる。唯一感じるのは手で触れている壁と近くに居るはずの他人と自分の息遣いだけ。手や足や体を見て認識している自分という存在は実はすごく曖昧で不確かなものだということに気付かされる。そんなことに思いを馳せながら玄関横のブレーカスイッチを探し当てる。爪先立ちで膝をプルプルさせながらスイッチを入れるとようやく部屋に文明の灯りが戻ってきた。
こんな夜の時間に光に包まれているということは、とてもありがたいことであり、とても不自然なことだということを改めてかみ締めつつ謙虚な気持ちでホットミルクを口にする。落ち着いてくるとだんだん現実に引き戻されてきて、部屋を見渡し問題が起きていないか点検する余裕が芽生えてきた。冷蔵庫は何事もなかったように普通に動いている。クーラーは完全に止まっているが、スイッチを入れるとまた普通に動き出した。心配なのはパソコン。当然電源は落ちている。直前までテレビを見ていたので稼動中に落ちたことによる悪影響が懸念される。恐る恐る電源を入れたところ……いつものようにOSが立ち上がり、しばらくして正常にデスクトップが現れた。いやー良かった良かった。さーて、ブログでもチェックするか、とFireFoxを起動すると…ブログが見れない。いかん、自宅サーバのことを忘れていた。慌てて電源を入れてみる。…HDDの音が聞こえ動き出す。よしよし。大丈夫。お前は強い子だ。こんなことではへこたれないよな!ターミナルでアクセスすると…Connection timed out…。ディスプレイを切り替えて繋いで見るとディスプレイ信号が出ていない…。なんどか電源スイッチのON/OFFを繰り返し蘇生を試みるも復活せず。
どうやら自宅サーバ君はお亡くなりになったようです。稼動から一年あまり、ずっと休まず働いてきたとは言え随分早いお迎えではないか(涙)。死因は湿気と熱とアクセス増加で疲労が蓄積していたところへの突然の電流停止によるショック死というところか。UPS(無停電電源装置)といった高級設備は持ち合わせていないので、もろに衝撃を受けてしまった…。廃熱構造が十分ではなかった可能性もある。静音にこだわり空冷ファンがないから熱に弱い構造だったかもしれない。ごめんよ。全て俺のせいだ。
Webやブログはバックアップを過去のサーバに移転して何とか本日、復旧。現在、自宅サーバを解剖してなんとか新たに生まれ変われないか摸索中。またもや文明の利器に振り回されることになりそうな今日この頃なのだ。(きっこのブログ風)
コメント
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人生いろいろ
>NAGAFEEさん
っていうほどのアクセスがあった訳でもないです。誰もアクセスしてくる人がいなかった昔に比べれば少し増えたってくらいです。この日記を立ち上げた当初はホントにアクセスなかったからなあ。
>Choiさん
人生というか鯖生って感じですね。
な~んだ・・そう言う事だったのか・・・
どおりで、今までスムーズに行ってたのに、急にアクセスできなくなったもん・・・
今夜、又再度挑戦してみたら、やっと元通り行き着いた。
鹿児島の例のあの家が(貴方も3年間住んだ家)確か15アンペアだったまま引っ越す寸前までそれで過ごしていたから、凄いエコ生活やってたのね・・・
どれとどれを一緒に付けるとブレーカーが落ちるかはちゃんと心得たもので、
私:「これから炊飯器を入れま~す。ホッとカーペットを切ってくださ~い」
お父さん[O K !」てな具合でね・・・
でも時々組み合わせを間違ったりして、突然闇の世界へ・・・
年間にこれ何回経験したことか・・・
鹿児島の家は相当古かったからね。なんせ窓が木枠で、くるくるねじ込む鍵(正式名称がわからん)だったから。
普通の電化製品は停電くらいじゃ壊れないように作られてるのに対してコンピュータは相変わらず突然の電源停止には弱いから結構気を使います。そういうところを改善しようと考える人はいないんだろうか。組込製品のソフトウエアは動作中の電源停止などもテスト項目に含まれてます。
中国・河北省の中学校を訪れた時のことでした。安全器がとんだので、交換したら、広大なキャンパスに30Aのみ。中国は220Vだから実質、ワット数換算で60A相当になるが、ちょっとビックリ。しかも、テスターで電圧を見ると167Vをさしていた。
配線も碍子どめの白熱灯。クラッシックでいいけど・・・。
2年後、私も監修に入って、配電線を付け替えた。新しいトランスを入れ、一気に、1,000Aにした。職員室にエアコンも入れた。ただ、電信柱に登るおっさんが最後に零線(三相交流ってわかります?)をつなぎ間違え、一瞬380Vが配電され、白熱灯5個ぐらい、ポンという音と共に爆発していた。
人生いろいろ
配電工事まで監修してしまうとは、さすがChoiさんですね。「写るんです」を分解・再利用していただけありますね~。
電気なんて何ワットかはともかくとりあえず来てればいい方なのかもしれません。送電そのものにエネルギー損失とCO2排出があるくらいだから送電システムってのはかなり非効率なんですよね。
いずれにせよ最近のエネルギー事情はのっぴきならん状況ですね。世界中で化石燃料の争奪戦が繰り広げられてるし、原子力の復活があちこちで見受けられるし…。