2021年の振り返りとこれから

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ぼやぼやしていたら今年ももう年末になってしまいました。なにやらわちゃわちゃしていたら凄い勢いで過ぎ去ってしまった感がハンパないのですが、まあ実際いろいろと(主に仕事で)やることがあったので仕方がありません。このブログはいつもタスクリスト中で優先順位が最低なのですが、年末だけはこの一年どうだったのか、何をやっていたのか、これから何をしようとしているのか、を整理することを最低限の義務として自分に課すことにしています。

With コロナ生活

2年目に入った新型コロナ禍における生活ですが、去年の振り返りにも書いていたように仕事上の影響はそれほど大きくはありませんでした。強いて言うなら大人数での会議や飲み会が無くなったくらいで、私自身それらにさほど意味を感じないタイプの人間なので、寧ろ働きやすくなったと感じているくらいです。

テレワークについては組込み系ソフトウェアエンジニアの宿命で試作機を相手にする仕事なので、1割にも満たない状態でした。それについては特に不満はなく、他の皆さんがテレワーク移行していたおかげで電車の混み具合もある程度解消し、通勤時間は情報収集や勉強などいろいろな面で自分の生活習慣の中における有意義な時間として活用できていました。

ただ、それも11月から激変し、テレワークと出勤の働き方は全く違うことを今頃になって思い知りました。特にテレワークにおける働き方は裁量が多いですが、環境面や運動不足とか自己管理しながらなんとかしないといけない部分も多く、そこに追いつくのに多少時間を要しました。今はようやく慣れてきたところなので来年からはテレワーク主体でもやっていけそうな気がします。

プライベートでは家族で旅行に行ったり、遠出するといったことはほぼしていないので、そういう楽しみからは遠ざかってしまった一年でした。とはいえ今年に関してはいろいろと事情もあり、静かに淡々と過ごす生活は見方を変えれば良い側面もあったのではないかと思っています。

コロナは次々と変異してその度に感染者が増えては減りを繰り返してきたわけですが、ワクチン効果かファクターXかは分かりませんが市中感染が激減し、変異による毒性低下の兆しも見えてきて、今後上手く付き合っていけそうな予感はしてきています。

むしろ心配なのは政治や社会・経済の混乱と不安定化が続き、なかなか収束に向けたマイルストンが見えないことです。Withコロナに向け明確に方針転換を表明した国も多い中で、日本はなまじ「国民感情」に沿ったコロナ対策を進めてきただけに政治的に不安定で右往左往しながら自ら身動きの取れない状態に陥っているように見えてしまいます。

エンジニアとしては政府がデータとリスクに基づいた客観的・科学的情勢判断と丁寧なコミュニケーションをしてほしいと願っていますが、この一年を振り返って政治的にある種の負のフィードバックがかかってしまう事例ばかりが目立っていたのは、民主主義国の宿命と考えるべきなのかもしれません。科学的な知見は必ずしも政治的に正解とならないことが多く、専門家の方たちも全体最適を考えて柔軟な判断をするというより、空気を読んで「政治的に望ましい」発言をする場合が多いように感じます。

マスコミも不安な感情を増幅する方向に伝える傾向が強いのはいつも気になります。(端的にその方が視聴率が高いということなのでしょう。)他国と比較しても非常に感染者数が少ないにも関わらず、それらの国より厳しい経済状況にあるという現状はなんとも残念ですし、ポテンシャルがあるだけに来年がどうなるかを憂慮しています。

インフレの先にある不安

今年に入って少しずつインフレの兆しが見え始めましたが、下半期になってからはこの流れが決定的になったと思っています。少なくとも米国や欧州はインフレに対して利上げや緩和縮小などの手を打つことを表明しています。これは景気が良くなったことによるインフレではないので、今後、しばらく生活は苦しくなるのではないかと思っています。日本もこのままだと利上げせざるを得ない状況に追い込まれそうですが、莫大な国債を日銀に買わせている日本にできるのかどうか…。庶民としては預金資産の実質価値の激減に今のうちから備えておく必要がありそうです。(端的には現金以外の資産比率を上げるとかドル建て資産を増やすとかでしょうか。)

ゆるかなインフレで賃金にも反映されていく類のものなら良いのですが、どうもこのインフレは違っているみたいです。私は根源的には法定通貨の価値について絶対的信頼はもってない人なのですが、可能な限り価値の安定を図らないといけないことは議論の余地がないと思います。ところが、今の政府や日銀は通貨価値の安定性維持に対して打てる手は持っているんだろうか?という疑問が拭えません。今年も最大規模の予算が組まれたようですが、かなりの金額を国債発行で賄っており、それらも借金返済に充てられている部分が多いようです。表向き様々な公式発表はありますが、財務省官僚が個人で財政破綻を警告する論文を公表したりなど、いろいろと気になる動きのある一年でした。

と言うわけで世の中的にはいろんな意見が飛び交っているようですが、私個人としては財政や通貨価値の安定といった点には昔から疑問を持っており、改善される兆しも見えず、じわじわと厳しさを増しているように見えているので、だんだんと身構える姿勢にならざるを得ないというが正直なところです。

世の中の話をしだすとどうにも明るい要素が見えませんが、希望を持っていないわけではないのです。ものごとには常に表と裏があるので、こういった負の要素も裏を返せば正となる要素が隠れているので、それを発見し光を当てて大事にしていけばきっと良いことがあると思っています。

異動と今後の活動

Twtterなどでは書いていましたが、仕事においては今年大きな変化がありました。転職こそしていませんが、11月に社内において異動があり、職場や職種を変わることとなりました。具体的には今まで車載ECUなどの組み込みソフトウェアの開発を行うエンベデッドスペシャリストとして従事していましたが、異動先はセキュリティ全般の情報発信・調査・研究を行う部署で、そこでセキュリティに関する調査・研究・情報発信を担当するITスペシャリストとして従事することとなりました。

社内における職種の扱いも異なることから、果たしてこの年でやっていけるだろうかという不安もありましたが、セキュリティと言う分野については開発現場で長年取り組んできたテーマだったので、今後さらにそこに軸足を移していくというのは自分の希望に適った方向だと判断しました。まだ、異動して2カ月弱ですから、いろいろと知らないことにも触れる機会が増え、下積みの必要性も痛感しながらも、刺激の多い日々を送っています。

セキュリティを語る上ではサイバー攻撃について理解を深める必要がありますが、これも非常に幅が広い世界で、技術的な話に収まらず、詐欺やフィッシング、法規制、国際情勢など知るべきことが非常に多いと感じています。また、転職してから今までの期間、組込みソフトウェアの分野に浸っていたこともあり、クラウド環境やインターネット標準の技術進化にキャッチアップしないといけないところがあることも見えてきました。

2022年はそういった知識のアップデートを図りつつ、現在関心のある暗号・認証・PKI・ゼロトラストなどの動向について追いかけていこうと思います。その分野にほんの少しでも良いので何某かの貢献ができるような動きをすることが来年の目標です。最近はゼロトラストというのもある種の掛け声になってますが、具体的な実現方法は多種多様で正解がなく、個別具体的な課題も多い分野だと思っています。そういった課題に対し解決策とまで言わずとも、選択肢や可能性を示すというところを目指したいです。

現職場は情報発信や外部団体との関わりを積極的に推進している部署でもあるため、今後は外向けに活動する機会も増えるかと思います。もしどこかでお見掛けしましたら、お手柔らかに相手をして頂けますと幸いです。

来年もよろしくお願いします。

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