GWの中頃に自宅からバスで40分くらいのところにある生田緑地に新緑を見に行きました。想像していたよりもずっと広い敷地で、中は静けさとマイナスイオンに満ちていました。久しぶりに深い緑に包まれてゆったりした時間の中で心身ともに癒されました。よく考えれば、ついこのあいだまで花粉を蒔き散らしていた杉達ですが、喉元過ぎれば…でそんなこともすっかり忘れ、やさしい気持ちで接していました。
このあたりは割と閑静な住宅街で緑のバランスも良くて落ち着いた雰囲気が素朴に気に入りました。いつの日か引っ越すときの候補地としてもちょっと気になっています。
特筆すべきは緑地内にある「岡本太郎美術館」です。岡本太郎と言えば小学生ぐらいの頃にCMやバラエティなどでTVに良く出ていた頃の記憶しかありませんでした。「なんだこれは!?」「芸術は爆発だ」などの名言とその強烈なキャラクターがあまりに面白く、友達とギョロ目の物真似をして爆笑していた記憶があります(笑)。しかし、その作品や実像などについてはまったく知らなかったのです。
美術館で展示されていた岡本太郎の作品や言葉にはなんというか「人間力」や「温かみ」のようなものが備わっていて、スマートな美しさを追求する現代の世相とは対極の世界を見せ付けられたように感じました。常々「芸術は綺麗であってはならない。心地良くあってはならない。」のようなことをおっしゃっていたようですが、まさにそんな感じの作品群でした。
売店では岡本太郎関連のさまざまな本が売られていて「日本人は爆発しなければならない」などのかなり気になるタイトルが。太郎の実像が知りたくて思わず岡本太郎の人生相談本「太郎に訊け!」を購入。かる~い気持ちで読んでみると太郎の若い頃のことも述懐していたりして、これがなかなか面白い。特にパリに在住していた頃や戦争で中国に行っていた頃の話を読むと常に世の中と取っ組み合いながら壮絶に生きてきたんだなあというのが分かります。(陸軍の上官に対して「日本は勝てない」と明言して殴られまくっていたそうです。)
以下、興味深い太郎の言葉を引用。
「自分はどう生きていかなければならないか、どうして生きていかなければならないのか、どんなふうに生きるべきなのか、”生きる”ことを模索し、身をもって問題にぶっつけることが、ほんとうの勉強なんだ」
「金と名誉を捨てたら人間の”生命”がのこるんだ。つまり人間のほんとうの存在だけが生きる。」
「生きるために、生きものを食いあさる。人間だって孤独のなかで、静かに瞑想していても、その裏側ではウジと同じでザァーッと音をあげて生命の炎が燃えているんだ。つまり、生命というのはそれほど、凄まじいものなんだねえ。」
緑と静寂の中にあって激しい情熱を迸らせる岡本太郎の作品群。まさに生命の「静と動」の狭間のような場所が生田緑地。お近くの方はぜひ足を運ばれることをおすすめします。
コメント
Yからインドに行ったぐらいにバイクで何度かその近くを通った事があります。
その時は、岡本太郎も存命中でしたので美術館も無かったかと・・・・。
ただその近くの明治大学生田校舎は戦争中の陸軍の研究所だったそうで、中国大陸でばら撒かれていた偽造中国紙幣のひみつ印刷所があったそうです。
多摩川沿いをのんびりバイクで走った日々が懐かしいです。
大都会にも、そういうホッとするような緑地って、探せばあるんだね・・・
都会に住んでいると、余計、森林浴したくなるんだろうね・・・
こっちはいつも森林に囲まれ、緑に包まれた生活しているから、有り難味が薄れるけどね・・・
5月は、新緑が綺麗だもんね・・・
ゴールデンウィークは、何処行っても車の渋滞に会って、疲れるばかりよ・・・
近場の自然を求めて、ゆっくりしていた方がいいのよね・・・
久々の日記更新でしたね。
◆チョイさん
チョイさんのインド…かなり前ですねえ~。陸軍の研究所だったとは知りませんでした。そういう秘密のことをやっていただけに、毒ガスの砲弾とかが地中に埋められてるなんてことはないですよね?
う~ん、気掛かりな情報だ…。
◆かこば~ばさん
東京近郊はきちんと整備された公園とかはわりとあちこちにあるんで、結構飽きないよ。手つかずの自然にはなかなか触れられないけど、人間が来てくつろいでもらうことを想定して作られているんで安心して過ごせるのとがいいところかな。そこまでは電車とかバスで「くつろぎに行く」んだけどね。GWはみんな遠くに出かけてるから近場で電車なら渋滞に悩まされることもなくてのんびりできます。